ライフレビュー・回想法 ただ一つのかけがえのない人生を振り返る
人生は、ユニークでかけがえのない時間の流れ。
その方のすべての思いが集積しています。
あわただしく過ぎ去っていく日常の生活、
ひととき、急ぐ足を留めて、
これまでに過ごしてきた過去の時間を振り返り、
印象深い出来事の記憶をたどってみませんか?
ライフレビュー・回想法とは、
人生を振り返り、回想すること、
そしてそれを言葉にして語ること。
さまざまな出来事、出会いと別れ、
懐かしい場所、忘れられない場面 …
古い記憶をよみがえらせ、振り返りながら、
回想していくプロセスで、
ただ一つだけの、ユニークでかけがえのない、
その方らしさ、その方にとっての人生の意義を、
再発見するかもしれません。
忘れられない思い出、喜びや感動の場面、
また、人生の折節に出会った人々との交流や 絆 は、
その方の人生を彩る、大切な宝ものです。
人生には、光ばかりでなく、影の部分もあるものです。
後悔や心残り、罪悪感、
未完了の出来事を振り返ってみる時、
現在の時点から、
新たな光を当ててみると、
これまで気付かなかった側面や背景、
思いがけないつながりなどを見出し、
あらためてその価値や意味に
気付かされることがあります。
振り返ろうとする時点の気分は、
語る内容や表現に、少なからず影響を与えています。
辛い出来事や悲惨な事件があったとしても、
年月を経て、時代や環境が変わり、
心境が変化すると、異なる見方や解釈の可能性が
生まれることになります。
言葉で表現してみることで気持ちが落ち着いていき、
心の中が整理されて、冷静に受けとめられるようになったり、
心の中から手放して解放するきっかけとなったりすることも
あるでしょう。
幸せや喜びも、悲しみや苦悩も、
全てがその方のかけがえのない貴重な人生なのです。
自分らしさ 人とのつながり 生と死 … 人生の物語を語る
ライフレビュー・回想法を体験していただくと、
誕生の瞬間から今日まで、人生の時間全体を流れている
その方らしさ、個性が浮彫となって、
アイデンティティを再認識でき、
セルフイメージを高めることができます。
そして、人生の価値や重み、変遷を、
もう一度眺め直してみることで、
その時点までの、いわば人生の総決算を行うことができ、
人生全体に光を当てて心の中で再構成し、
統合することに役立つことでしょう。
一人の方の人生の道は、
他の多くの方々の人生の道と、時に交差し、
重なり合い 離れながら、並行して進んでいきます。
ライフレビュー・回想法は、
その方にとって特別に重要で親密なお相手との大切な思い出を、
もう一度振り返り、懐かしみ、慈しむ機会となります。
人生のパートナー・伴侶を亡くされた方が、
懐かしい思い出や、伝えきれなかった言葉などを表現し
さまざまな思いを集約し、
心に焼き付ける機会とすることもできます。
私たちは、例外なく いずれ死を迎えます。
よく生きることはよく死ぬことであるとも云われますが
心残りや未完了のテーマがあることに
気付かれるきっかけとなるかもしれません。
生きてきたこれまでの時間の流れを見つめ、
現在までの歩みを言葉で表現して実感することは、
将来のどこかの時点で訪れるであろう死をも視野に入れながら、
一度限りのこの人生の大切な総決算として、
生をいっそう意義あるものと感じさせてくれるはずです。
語り手 と 聴き手、 ファシリテーター
平安時代の説話文学の一つ、「今昔物語集」は、
「 "今は昔"
( 今となってはもう昔のことになりますが…… ) 」
というフレーズから始まります。
昔々の出来事に思いを馳せながら、ものがたりが始まる時、
聴き手は語り手に はるかな過去の時空へと誘われ、
聴き手と語り手は、心をともに旅立たせます。
ものがたりは、目の前にいる相手が聴いてくれていることで、
話にリズムと弾みがつき、具体的で鮮やかな表現が生まれ、
豊かなイメージを誘うものとなっていきます。
ライフレビュー・回想法の個人セッションには、
ファシリテーター(促す者)としての聴き手がいます。
そのために、一人で行う自伝の執筆とは異なる語り口となり、
聴き手との対話を通じて、
思いがけない発見や気付きが生まれ、
新たな境地を拓くことができます。
聴き手であるファシリテーターは、
人生の物語をあるがままに受け入れ
傾聴します。
ご希望に応じて立ち止まり、
意味を問いかけ
過去を振り返るプロセスが
実りあるものとなるよう
お手伝いを致します。
ライフレビュー・回想法は、どの世代の方にとっても、
これまでの人生の意義の発見、再解釈、統合、
よりよい未来への展望を持つことに役立つことでしょう。
ライフレビュー・回想法 その方の人生の物語をお聴きします‥
人生をゆっくりと振り返り、回想しながら、
その方の人生の物語を
思いのままに語っていただきます。
ファシリテーター(聴き手・促す者)は、
受容的に耳を傾けます。
必要に応じて、記憶をたどるお手伝いを致します。
語り続けているうちに、
忘れていた出来事や、記憶に埋もれていた人物のことを、
ふいに思い起こすかもしれません。
気負わず、その時々に思いを馳せながら、自然体で、
気楽なお気持ちでお話しいただきます。
在るがままのその方らしさが、
自然に表現され醸し出されるように、
安全でリラックスできる空間をご用意致します。
個人情報は厳守致します。
ご希望に応じて、ライフレビューのプロセスを録音・録画して
記録に残し、大切な方への贈り物とすることができます。
ライフレビュー・回想法 (人生の回想) ワーク をお勧めしたいのは…
若い方、中・高年の方、ご高齢の方、
老若男女問わず、どの世代の方にも。
ご自身の人生を振り返ってみたい方に。
幼い頃のことや昔の出来事が、なぜか思い出されて
ならない方に。
語ることによって、ご自身をより深く理解したい方に。
自己覚知の助けとして。
アイデンティティと、自分らしさを確認する、
あるいは再発見するために。
就職、転職、退職、ご結婚の記念として、人生の節目に。
人生のパートナーを亡くされた方が、
その方との大切な絆と思い出を、もう一度振り返るために。
未解決の過去の問題に対処し、
区切りをつけて手放したいと望む方に。
災害や事故、事件などを振り返り、
心を解放して気持ちの整理をつけたい方。
ご病気の方、ターミナルケアを受けておられる方。
新たなお気持ちで人生をやり直すための決意
の証として、ご自身の"再誕生"のために。
ご結婚の記念として、将来、
生まれてくるお子さまへの贈り物として。
主婦の方、子育て中の方が、
お子さま・お孫さまへの贈り物として。
ご主人さまが、奥様への贈り物として。
ご高齢の方が、お孫さまやご子孫に残す記録として。
ライフレビュー・回想法 個人セッションのご案内 ~ご予約からセッションまでの流れ~
メール、お電話にてご希望の日時をご連絡下さい。
初回セッションの日時が決まります。
初回セッションでは、
ライフレビュー・回想法へのご要望を
お聴きします。
目的やお時間、場所などのほか、
方法と流れ、回数、記録の有無などに
ついてのご希望を取りまとめ、
大まかなスケジュール表をお作りします。
「介入のない自然な回想法」 または
「未完了の出来事に対する思いを
解決するための回想法・ライフレビュー」の、
どちらを望まれるかについても、
ご要望をお聴き致します。
原則として、週1回、3時間を基本のペースとしておりますが、
それ以外のご要望も承りますので お気軽にご相談下さい。
セッションルームにお越しになることが難しい場合には、
ご自宅にお伺いすることもできます。
(管理責任者様より許可をいただける場合には、病室、グループホーム、
施設などへの出張も可能です。)
(また、スカイプによるセッションを行うことができます。)
スケジュール表の日程に沿って、
ライフレビューが始まります。
お話の発端をつかみにくいような場合には、
幾つかのテーマを提案させていただき、
そのテーマの中から、お好きなものを選んでお話しいただくことができます。
(たとえば、「ご両親」「学校の行事」「故郷の風景」
「子どもの頃仲の良かったお友達」「好きな歌・音楽・映画」 … etc. )
また、ご希望に応じて、記憶をたどるための
ご参考となるような歴史的・社会的な出来事、
流行したものや話題を集めたトピックス、時代背景などの
情報を差し上げることができます。
人生の物語は、その方の視点から捉えた主観的なもので
あることにこそ価値があるものです。
どのような出来事であっても、
その方の意味付けや解釈を受け入れ、
尊重し、お話いただいた内容について
修正や訂正、批評、批判を
申し上げることは一切ございません。
また、その方がお話にならないことを、
こちらから問い質すことはございません。
回想のプロセスから生まれる懐古の情、さまざまな感情、
その方ご自身の理解や再発見、気付きと洞察、再評価、
統合、解放などを、個人セッションの収穫として
受け取っていただくことができます。
回想セッションの完成度や、記憶の整合性などとは
かかわりなく、回想するプロセスを大切に致します。
回想・ライフレビューそのものを
ゆったりと楽しんでいただければと思います。
ライフレビュー・回想法のプロセスは、ご希望に応じて
録音・録画し、記録に残すことができます。
お子さまやお孫さまへの贈りものとしても、
未来の自分に送る「生きた証」の記念としても、
比類なく有意義な記録となることでしょう。
個人情報は厳守致します。
> プライバシーポリシー
ライフレビュー・回想法 個人セッションのお時間と料金
完全予約制となっております。Google Meetによるオンラインセッション または電話セッションです。
ご希望の日時を、第3希望までお知らせ下さいますようお願い申し上げます。
[ 料 金 ]
90分コース 1回につき ‥ 5,000円
◇ 5回セット ‥ 25,000円
◇ 10回セット ‥ 49,000円
3時間コース 1回につき ‥ 10,000円
◇ 5回セット ‥ 50,000円
◇ 10回セット ‥ 99,000円
■ ご希望に応じた回数のご予約を承ります。
上記以外の回数、追加などにつきましては、お気軽にご相談下さい。
■ 原則としてお時間の延長はできません。
■ 録音・録画をご希望の場合には、ご相談下さい。
■ ご予約のキャンセルにつきましては お問い合わせページの キャンセルポリシー を
ご覧いただきますようお願い申し上げます。
■ 私どものライフレビュー・回想法が適していないと判断される場合や、医師による治療が
必要と考えられる場合には、ライフレビュー・回想法を打ちきり、他の専門機関などを
ご案内申し上げます。
ライフレビュー・回想法 の 始まり と 背景
回想法は、高齢者に対する社会的な対応の変化や
意識の高まり、老年学への関心などを背景として、
1963年、ロバート・バトラー(R.N.Butler 1927-2010 アメリカ)
によって提唱された心理療法です。
バトラー博士は、精神科の医師として、心を病む
入院中の患者さんの治療を行っていました。
医師による治療過程では、患者さんの生活歴について
ご家族からお聴きすることはきわめて重要であり、
医療スタッフと家族との情報共有や
緊密な連携が必要となります。
また、治療者が患者さんご本人のお話を
積極的な関心を持って、
丁寧にお聴きすることが重要であるのは
言うまでもないことです。
とりわけ、その方がご自身の人生や
周囲の方々との人間関係をどのように
受けとめ分析されているかということは、
大きな意味を持っています。
患者さんと周囲の人々とのコミュニケーションにおいても、
自然な回想の伝達を通じて
共感や親しみなどが生まれ、
人間関係づくりへのきっかけとなり、
他者への関心や社会性、集団への参加意欲を促す効果が
期待できるものです。
バトラー博士は、精神療法を行う中で、
ご高齢の方が、過去の時代や出来事を自発的に思い出し、
それを繰り返し語る行動を、
認知症の兆候などとしてとらえるのではなく、
この時期に見られる特有の心の動きによるものであると
考えました。
ライフレビュー・回想法とは、人生の円熟期を迎え、
視野に入る死をも含む人生全体への見直しや
意義の発見、未完了の課題への対応、
アイデンティティの模索と再発見など、
人として自然で自発的な行動であるといえるでしょう。
ライフレビュー・回想法は、
その後、アメリカ、イギリスを中心に、
グループによる回想を中心として実践の場を広げ、
1970年頃には、認知症高齢者を対象として発展していきます。
今日に至るまで、さまざまな医療、福祉の現場において、
数多くの実践と事例報告、国際的交流、
専門家による研究活動などが続けられています。
ライフレビュー・回想法は、
個人を対象としてマンツーマンで行うものと、
グループで行うものがあります。
また、グループで行うものを回想法、
個人で行うものをライフレビューととらえる考え方も
あるようです。
グループで行うライフレビュー・回想法は、
不特定のメンバーによるオープングループ、
メンバーが固定されているクローズドグループ、
セミクローズドグループに分類されます。
国内での実践 ご高齢の方や認知症の方の回想法
日本国内においても、1970年代以降、
高齢者福祉施設や医療の現場などを中心として
回想法が導入されるようになりました。
どちらかといえば、個人よりも、
グループで行う回想法の方が多いようです。
特に、認知症の方を対象とするグループでの回想法は、
臨床心理関係者、福祉現場の方々、
ご家族の方々の連携と協力の元に行われ、
その方を支え、心身の状態をよりよいものとすることに貢献し、
現場でのケアの質を高めることに役立ち、
その成果が認められて報告され始めています。
高齢の方を対象とする回想法の効果としては‥
過去のことに思いをめぐらせることにより
脳機能の活性化に役立つ、懐かしい生活用具や
体験について語り合うことで対人交流を活発化する、
生活史・生活歴などケアに役立つ情報の共有化ができる、
ケアの現場とご家族とをつなぐ役割を果たす、
過去の時代の文化や技術、習俗などを
後生に語り伝えることができる…
などを挙げることができるでしょう。
施設入居の高齢者の方々やデイサービスご利用者、
また養護学校の生徒さんを対象とする回想法では
回想の内容を聞き書きし、
ライフレビューブックという形の記録として
まとめることが行われています。
出来上がったブックは、ご本人はもちろんのこと、
ご家族やケアにあたるスタッフそれぞれにとって、
たいへん貴重な記録となります。
実践報告や提案、シンポジウム、研究活動などが行われ、
入門書、研究書の出版点数も増え、活動の範囲も広がって、
近年、在宅ケアなどにおいても実践が行われています。
民俗博物館や歴史博物館などの意欲的な実践活動 今後の課題
1990年に開館した 北名古屋市歴史民俗資料館
(旧師勝町歴史民俗資料館)では、
所蔵品である昭和30年代の生活用品などの資料を使い、
「思い出ふれあい(回想法)事業」として
高齢者向けの回想法のサポートが行われました。
また、龍ヶ崎市歴史民俗資料館(茨城県)では、
龍ヶ崎市回想法センターを支援するとともに、
コラボレーション事業を開催しています。
ほかにも福井県立歴史博物館、
大阪市立住まいのミュージアム、江戸東京博物館(東京都)、
亀岡市文化資料館(京都府)などでは、
回想法に関連する展示のほか、
収蔵品の貸出や回想法リーダー養成など
ライフレビュー・回想法の支援や多彩な活動を展開しています。
レトロという言葉の流行など、
懐古が自然な心の動きや行為として、
世代を越えて一般的に親しまれるようになった
社会事象なども、近年の出来事として
思い出されるところです。
海外の翻訳書など関連図書の出版も増え、
普及活動、民間や公的な研修機会も増加傾向にあり、
介護職、看護師、臨床心理士、教育分野、ポランティアなど、
現場での実践に対する興味が、
ますます広がりつつあるといえます。
その一方で、ライフレビュー・回想法の実践における
個人情報の取り扱いの難しさ、回想法をコーディネートする
担当者やセラピストの育成などが、
今後取り組むべき課題として残されています。
ライフレビューと回想法は 同じもの ‥ ?
回想法 ・
レミニッセンス・セラピー(reminicscence therapy) と
ライフ・レビュー・セラピー(life review therapy)とは、
元々同一のものではありませんでしたが、
定義や概念化が不十分なまま、区別されることなく
同じような意味合いで用いられてきました。
「回想法」と「ライフレビュー」は異なると考える立場から
両者の相違点を挙げてみることにしましょう。
回想行為は、日常生活の中で、自然発生的に行われることも多く、
そのこと自体が楽しみをもたらすものでもあります。
「一般的回想法」においては、主としてご高齢の方が、
ご自身の生活史を自発的に振り返るプロセス
を通じて、楽しいひとときを過ごし、
周囲の方々とのコミュニケーションを
豊かにする効果があります。
ご高齢の方の場合、
日常生活の中でこうした機会を持つことによって、
クオリティオブライフ (QOL)を
向上させることに役立つと云われています。
一方、「ライフレビューセラピー」では、
心残りのある出来事や未完了の出来事をも含む
人生全体を振り返り、聴き手は心理療法的な介入を行って、
その方の再解釈、評価などをサポートしながら
葛藤の解決を促し、自我の統合を
目指すことになります。
すなわち「回想法」が自然で自発的、
楽しみとしての要素を比較的多く含むのに対して、
「ライフレビュー」の方は、
葛藤の解決や課題への対処など、
より介入的、療法的であるといえます。
人生を回想し聴き手に語るプロセスは、
セッションの枠組みが構造化され、
計画に基づいて調整されていたとしても、
話し手と聴き手の姿勢や人間性、関係性などによって、
変動的な要素や予測できない展開を
見せる可能性があることは
容易に想像がつくことです。
「回想法」と「ライフレビュー」とは、
一方からもう一方へと、その時々で
「相互に質的な変化を見せる流動的な概念」
(国際回想法・ライフレビュー協会理事である野村豊子氏)
であると言えるでしょう。
私どものライフレビュー・回想法の姿勢 ‥ 自然で楽しくクリエイティブな回想を
私どものライフレビュー・回想法は、
マンツーマンのプライベートセッションとして
個人の方を対象に行っております。
ライフレビュー・回想法のセッションにおいては、
聴き手が批評や判断、あるいは解釈などを
差し挟むことはございません。
その方のペースを尊重し、
その方らしくご自由に伸び伸びと
人生を振り返っていただきます。
心の赴くままに、
過去を振り返って言葉にすることは、
その時々のご自分の心を見つめ、
思いや感情、感覚をよみがえらせ、
パーソナリティの個性を深く感じていただく
特別な機会となります。
その結果として、その方ご自身が、
人生の意義やその方らしさを
自然に再発見していただくことができるように、
プロセスそのものを大切にしたいと考えております。
未解決の問題を解決に導き、
トラウマを癒すことが主たる目的ではありませんが、
もしもその方のご希望がある場合には、
ライフレビューセラピーとして行いますし、ご希望に応じて
カウンセリングや他の心理療法のアプローチを取ります。
懐かしい思い出や印象深い出来事の自発的な回想。
心の癒しと統合、葛藤の解決、アイデンティティの確認。
ライフレビュー・回想法には、
これら2つの要素が含まれますが、
どのようなライフレビュー・人生の回想を行うかは、
その方ご自身でご自由に選んでいただくことができます。
人生を回想する はるかなイメージの旅へ
人生を流れる時間は、
起伏に富んだ壮大な大河の流れに
たとえることができます。
時間の大河をゆるやかに下って進んだり、
時には急流を遡ってみたり、
また、ある場所では
ひととき留まったり
しながら、ライフレビュー・回想法のプロセスは
進んでいきます。
流域に広がりゆくさまざまな心の風景のイメージが、
次々に視野に入ってきては、やがて流れ去っていくでしょう。
その流れの先に、はるかな未来へと向かう流れを
垣間見ることができるかもしれません。
ライフレビュー・回想法が進むにつれて、
その時々の記憶やイメージがよみがえると共に、
懐かしさや感慨深さ、
さまざまな思いや感情がふいに湧き起こり、
渦を巻きながら波立ち、新たな光を当てられて、
その姿が変容を遂げていきます。
人生の回想の旅の最後に、
現在という時点に戻ってきた時、
その方らしい、ただ一つだけの
ユニークでオリジナルなライフレビュー・回想
がその全貌を現して
完結するのではないでしょうか?
そのプロセスのすべてを、
敬意を込めて尊重しお聴かせ頂いております。
どのようにライフレビュー(回想)が進められていくか、
それもまた、かけがえのないただ一つの人生と同様に、
ユニークなご自分らしさの表現なのです。
ライフレビュー・回想法 関連図書
ライフレビュー・回想法についての 比較的読みやすい
参考図書を ご紹介致します。
ライフレビュー・回想法へのご興味・ ご関心のきっかけと
なり、折に触れてご活用いただければ幸いです。
ご高齢の方々を対象とする回想法・ライフレビュー本は
数多くあり、この分野での中心的な役割を果たしています。
しかしながら ライフレビュー・回想法は、
ご高齢の方々に限らず、年齢や世代、
ライフステージ、健康状態などと関わりなく、
すべての方々にとって、人生の意義深さや
ご自分らしさを再発見し、
統合する機会となるものではないでしょうか?
ライフレビュー・回想法がさらなる発展を遂げ、
多様な実践活動が行われ、
いっそう多くの方々に親しまれ
心の癒しと自己実現に役立つことを願っております。
「回想法の実際」
アン・フリード 著
黒川由紀子、伊藤淑子、野村豊子 訳 (誠心書房) 1999
「回想法への招待」
野村豊子 黒川由紀子 著 (筒井書房) 1992
「ライフレビューブック 高齢者の語りの本づくり」
志村ゆず 編 (弘文堂) 2005
「回想法ハンドブック Q&Aによる計画、スキル、効果評価」
回想法・ライフレビュー研究会 編 (中央法規出版) 2001
「回想法とライフレビュー その理論と技法」
野村豊子 著 (中央法規出版) 1998
「回想法―高齢者の心理療法」
黒川由紀子 著 (誠心書房) 2005
「写真で見せる回想法」
志村ゆず 鈴木正典 編
伊波和恵ほか 著 (弘文堂) 2004
「ビデオ回想法
―思い出を今と未来に生かして」
野村豊子 監修 (中央法規出版)1998
「回想法」
矢部久美子 著 (河出書房新社)1998
「高齢者介護予防プログラム いつでもどこでも『回想法』」
遠藤英俊 著 (ごま書房) 2005
「回想法 グループマニュアル」
黒川由紀子 松田修 丸山香 齋藤正彦 著 (ワールドプランニング) 1999
「中程度~重度の痴呆性高齢者の回想法」
志村ゆず 著 (メディカルレビュー社) 2004
「人生を物語る 生成のライフストーリー」
やまだようこ 著 (ミネルヴァ書房) 2000
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